ネット上のレシピ情報には、時として科学的根拠に欠ける調理法が見受けられます。よくある誤解を正し、失敗のリスクを排除しましょう。
誤解1:「煮込み料理は長く煮れば煮るほど柔らかくなる」という思い込み
豚バラ肉のように脂質が極めて多い部位であれば長時間の加熱でも脂の保湿効果でパサつきを感じにくいですが、赤身率の高い肩ロースを通常鍋で1時間を超えて強火煮込みすると、筋繊維から水分が抜けきって繊維質の固まりと化します。長時間の加熱が許されるのは「70度前後の低温環境」または「圧力鍋による密閉短時間」に限られます。
誤解2:「お肉を柔らかくするために最初から強アルカリ・強酸に長時間漬け込む」
パイナップルやキウイ、酢などに肉を一晩以上漬けると、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が働きすぎて肉の表面がドロドロに溶け崩れ、加熱時にかえって食感が悪くなります。酵素を利用する場合は30分〜最長1時間程度に留めるのが鉄則です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
豚肩ロースブロックは万能ですが、求める仕上がりや調理環境によって向き不向きが存在します。
肩ロースブロックを選ぶべき人・料理:
・脂っこい角煮が苦手で、肉本来の旨味や食べごたえを重視したい人
・ローストポークや自家製チャーシューを定期的に作り置きしたい家庭
・炊飯器の保温機能や低温調理器を日常的に使いこなせる人
豚バラや他部位を選んだほうがよいケース:
・「箸で触れるだけで脂がとろけるようなラフテー風角煮」を作りたい場合(豚バラ肉が最適)
・細かい温度管理をせず、大鍋でとにかく長時間煮込み続けたい場合
・極限まで脂質を抑えた高タンパク食を求めている場合(豚ヒレ肉や豚モモ肉が適正)