豊かな自然に包まれた少林山の境内は、四季折々の景観とともに、歴史・文化・建築の粋を肌で感じられるスポットが点在しています。
石段を登りきった先に堂々と佇む「霊符堂(れいふどう)」は、北辰鎮宅霊符神(ほくしんちんたくれいふしん)と達磨大師を祀る本堂です。堂内には所狭しと大小無数のだるまが奉安されており、厳かな線香の香りと相まって圧倒的な信仰の熱量を感じさせます。
霊符堂のすぐ隣に位置する「達磨堂」は、愛好家ならずとも立ち寄るべき展示空間です。日本各地の郷土だるまをはじめ、海外の貴重なコレクション、著名人や歴代首相が願掛け・満願成就の際に奉納しただるまが一堂に会しており、意匠や表情の地域差を比較観察できます。
さらに見落としてはならないのが、世界的建築家ブルーノ・タウト(Bruno Taut)ゆかりの「洗心亭(せんしんてい)」です。ナチス・ドイツの迫害を逃れて1933年に来日したタウトは、1934年から約2年3ヶ月にわたりこの洗心亭に身を寄せました。質素な木造平屋建ての侘び住まいのなかで、彼は日本の伝統美を『日本美の再発見』などの著述へと昇華させました。現在も当時の佇まいを静かに残しており、建築ファンにとって聖地巡礼の地となっています。