師匠急逝という悲劇を乗り越えようとした東関部屋でしたが、2021年4月、日本相撲協会理事会において正式に八角部屋への統合(閉鎖)が承認されました。なぜ名門の看板を降ろさざるを得なかったのか、そこには複合的な決定打が存在していました。
第一に、柴又へ新築移転した直後だったことによる莫大な財務・維持負担です。部屋の維持管理費や建設に伴う費用負担が重くのしかかる中、師匠の急逝が重なり、経営面での立て直しは極めて困難を極めました。
第二に、力士数の減少とコロナ禍による新弟子スカウトの難航です。当時、現役力士は一桁台まで減少しており、2020年から世界を襲ったパンデミックによって相撲界全体のリクルート活動が凍結。新規の入門希望者を確保する道が断たれてしまいました。
第三に、指導体制の持続可能性です。誠実な人柄で知られる14代東関親方(元高見盛)ですが、突然の師匠就任に伴う重圧は計り知れず、後援会組織の維持や部屋経営全般を単独で背負い続けるには限界がありました。所属する若い力士たちの稽古環境と将来を守るため、高砂一門の総帥である八角理事長(元横綱・北勝海)率いる八角部屋への合流という苦渋の決断が下されたのです。