太田裕美が自身の公式ブログで乳がんの治療中であることを公表したのは、2019年9月のことでした。同年7月に手術を受け、8月から抗がん剤治療を開始したことを明かした際、日本中に大きな衝撃が走りました。当時の報道では「激やせ」「重病説」などセンセーショナルな見出しが一部メディアで躍りましたが、実際の彼女のアプローチは極めて冷静かつしなやかなものでした。
本人のブログ手記や音楽関係者の証言によると、抗がん剤の副作用による手足のしびれや体力の低下に直面しながらも、彼女は「歌うことをやめない」という強い意志を貫いていました。病気を告知された際、当時の心境を自著やロングインタビューで振り返り、「恐れや絶望に身を任せるのではなく、今ある日常と声を大切に抱きしめようと決めた」と語っています。治療スケジュールをライブ活動と綿密にすり合わせ、主治医と二人三脚でステージに立ち続けた姿は、多くの同世代患者に勇気を与えました。
2026年現在、太田裕美は71歳を迎えました。定期的なメディカルチェックを欠かさず、体調を最優先にしたスケジュール管理を行っており、がんの再発の兆候は見られず病状は極めて安定しています。公表から数年が経過した今も、無理のないペース配分で全国各地のホールへ足を運んでおり、現場関係者からも「リハーサルから一切妥協がなく、声の抜けとピッチの安定感は驚異的」と舌を巻く声が上がっています。