松本穂香が青天目澄子役を射止めた背景には、熾烈を極めたキャスティングの舞台裏がありました。澄子役を含む乙女寮の若手キャスト陣は、応募総数数千人規模にのぼる大規模オーディションによって選考が進められました。
当時まだキャリア初期だった松本穂香は、オーディション会場において決して派手に自己主張するタイプではありませんでした。しかし、脚本を手掛けた名匠・岡田惠和氏や演出陣の目を引いたのは、彼女が醸し出す「飾らない素朴さ」と「どこか放っておけない絶妙な間(ま接)」でした。整いすぎた美少女を演じるのではなく、昭和の地方から都会に出てきたリアルな少女の息遣いを自然体に表現できる稀有な存在感こそが、審査員満場一致での抜擢につながった決定打でした。