足羽山公園の山頂近くに佇む福井市自然史博物館の最大の強みは、「福井の大地が生み出した自然史のリアルな凝縮」にあります。巨大なエンターテインメント性を押し出す大型テーマパーク型施設とは一線を画し、足羽山をはじめとする福井平野周辺の地質、植物、昆虫、鳥類、そして白亜紀の古生物に至るまで、地域に根差した調査研究の成果が立体的なジオラマや実物標本で分かりやすく構成されています。
特に注目すべきは恐竜・古生物展示です。福井県内で産出した足跡化石のレプリカや骨格標本、さらには足羽山周辺の特産として知られる「笏谷石(しゃくだにいし)」の採掘歴史と地層断面など、福井の歴史と地球科学が交差する独自の展示展開がなされています。専門学芸員の解説パネルは子どもから大人まで理解しやすい工夫が凝らされており、単なる見学にとどまらない知的好奇心を刺激する空間設計がなされています。