ネット上のコミュニティ(5ちゃんねる、知恵袋、X)では、世界の反応に関する評判と口コミが連日活発に交わされています。「海外でここまで日本が評価されているのを見ると誇らしい気持ちになる」という肯定的な意見がある一方で、「翻訳が意図的に偏っているのではないか」「都合のいいコメントばかり抽出している」といった厳しい批判の声も少なくありません。
実際の現場では何が起きているのか。長年、欧米掲示板の翻訳ブログを運営してきた元管理人への取材や、過去の手記で明かされた内幕からは、熾烈なアクセス至上主義の現実が浮かび上がります。
「当初は海外の多様な価値観をフラットに紹介したくて始めました。しかし、Redditで批判的な長文意見をどれだけ精緻に訳してもアクセスは伸びない。逆に『外国人が日本の鉄道技術に涙した』『欧米人が自国の衰退を嘆いて日本を絶賛した』という構図の記事を出すと、アンテナサイト経由のPVが通常の5倍から8倍に跳ね上がる。読者が求めているのは客観的な海外事情ではなく、自尊心を満たしてくれる“心地よい称賛”なのだと痛感しました」(元まとめサイト運営者の手記より抜粋)
海外掲示板の翻訳まとめにおいて、英語圏最大の掲示板「Reddit」や「4chan」からスレッドを抽出する際、上位コメント(Upvoteが多いもの)ではなく、あえて日本を激賞している極小数の意見ばかりを拾い上げて並べる手法は、残念ながら珍しくありません。読者が目にする海外の反応やネットの反応は、翻訳者のフィルターとアンテナサイトのアルゴリズムという二重の選別を経て精製された、高度に演出された言説である側面を否定できないのです。