凶悪事件の背景を探る上で避けて通れないのが、白石隆浩の生い立ちとパーソナリティの形成過程です。白石は座間市内で育ち、小中学校時代は目立つトラブルを起こすこともなく、近隣住民や同級生からは「おとなしい普通の少年」「自己主張が強くない子」と記憶されていました。
しかし、商業高校を卒業後に就職した職場を転々とする中で、金銭への異常な執着と安易な生活への志向が顕在化します。その後、東京都豊島区池袋や新宿・歌舞伎町周辺で、女性を性風俗店に斡旋する違法スカウトグループのメンバーとして活動を開始。2017年2月には職業安定法違反(有害業務への職業紹介)の疑いで茨城県警に逮捕され、同年5月に有罪判決(懲役1年2月、執行猶予3年)を受けていました。
スカウト時代に培った「女性の心理的弱みを見抜き、言葉巧みに誘導するテクニック」は、後に連続殺人の手口へとそのまま悪用されることになります。逮捕によってスカウト業での収入源を断たれ、定職に就くことを嫌った白石は、現場となったアパートの入居費用を被害者に工面させるなど、生き延びるための金銭奪取と性的欲求を満たす道具として被害者たちを利用していきました。