「ゲームセンターの音ゲー台でワイヤレスイヤホンを使って没入したい」という声は後を絶ちません。しかし、結論から言えば、一般的なBluetooth接続を用いた場合、シビアなリズムゲームでのプレイは致命的な「音ズレ」を引き起こします。
現在稼働している主要タイトル(『CHUNITHM(チュウニズム)』『maimai でらっくす』『SOUND VOLTEX』など)の筐体には3.5mmイヤホンジャックが標準装備されています。ここにBluetoothトランスミッターを差し込んでワイヤレス化を図るプレイヤーが見られますが、標準コーデック(SBC/AAC)では約100ms〜220ms(0.1〜0.22秒)の音声遅延が発生します。
音ゲーにおける最高判定(JUSTICE CRITICALやCRITICAL PERFECTなど)の許容枠は、わずか±16.6ms〜±33.3ms(1〜2フレーム)程度です。つまり、100ms以上の遅延がある環境では、画面上でノーツを完璧に叩いた瞬間の打鍵音やエフェクト音が「一拍遅れて耳に届く」状態になり、人間の反射神経とリズム感を激しく狂わせます。
筐体側の判定タイミング調整(オフセット設定)をプラス側に大きくシフトさせることで「ノーツが線に重なるタイミング」と「イヤホンから流れるBGM」を合わせることは可能ですが、今度は物理的にボタンを叩いた自分の打鍵音とイヤホンの音がズレるという別の違和感が生じるため、根本的な解決には至りません。