先発投手の実力を測る尺度として一般に用いられるのが防御率ですが、単一の数字だけを過信するのは禁物です。予告先発投手防御率ランキングを俯瞰すると、1点台から2点台前半のハイレベルな投手が勢揃いしているものの、投手の本当の強さは「打者別の相性」や「得点圏での被打率」にこそ現れます。
セイバーメトリクスの観点から打者別対戦相性データを深掘りすると、興味深い傾向が浮き彫りになります。例えば、DeNAの東克樹は広島の中軸に対して過去通算で被OPS .520と極めて相性が良く、特にインコースへのツーシームでバットの芯を外す投球が確立されています。しかし、広島の1番打者に対しては出塁率.380を許しており、「先頭打者を塁に出すか否か」で失点確率が約2.8倍に跳ね上がるという明確なデータが示されています。
また、巨人の戸郷に対しては、阪神のクリーンナップが特定のカウント(2ストライク追い込まれる前)に絞って強振する傾向が顕著です。直近の対戦3試合における戸郷の球種別被打率を分析すると、初球のストライクゾーンに入ったスライダーを痛打される割合が3割5分を超えています。表面的な防御率の低さに惑わされず、どの打順がどの球種を狙い撃ちにするかというミクロな攻防に着目することが、明日のゲームをより深く楽しむための極意です。