喉の痛みが引いたにもかかわらず「声がかすれる 治らない 理由」を探している場合、決して楽観視してはならない2大疾患があります。それが「反回神経麻痺」と「喉頭がん」です。
発声を司る声帯を動かす運動神経は、脳神経の1つである迷走神経から分岐する「反回神経」によって制御されています。この神経は脳から首、胸(大動脈弓や鎖骨下動脈)へと下り、再び折り返して喉頭へと向かう非常に長い走行ルートをたどります。そのため、甲状腺がん、食道がん、肺がん、胸部大動脈瘤といった胸頸部の重篤な病変によって神経が圧迫・浸潤されると、声帯が片側で動かなくなります。これが反回神経麻痺 症状の恐るべき背景です。息が漏れるようなスカスカした声になり、特に水分を飲み込んだ際に激しくむせる(誤嚥)症状が現れた場合は、一刻を争う精査が求められます。
もうひとつの見過ごせない病態が、声が出ない病気 喉頭がんです。喉頭がんの約6割を占める「声門がん」は、早期から声のかすれという自覚症状が出やすいのが特徴です。咽頭炎と決定的に異なるのは、「初期段階では喉の痛みがほとんどない」という点にあります。熱も痛みもないのに嗄声が2週間以上続く場合は、喉頭鏡による内視鏡検査(電子スコープ)が必須です。早期(ステージI・II)に発見できれば、声を温存した治療法が十分に選択可能です。