胃腸が弱った時に本当に選ぶべき「消化の良い料理」とは何なのか。臨床栄養学をベースに活動する日本栄養士会の管理栄養士たちと消化器専門医が提唱する最新アプローチは、「胃を休めながら必要なアミノ酸と微量栄養素を届ける」という攻めと守りの両立だ。
驚くべきことに、近年注目されているのは「大根おろし」や「長芋」の生食利用である。これらに豊富に含まれるジアスターゼなどの消化酵素は、熱に弱いため加熱すると失活してしまう。少し胃が落ち着いたタイミングであれば、煮込むのではなく、すりおろして常温で少量をタンパク質に添える方が、胃の消化ワークロードを劇的に削減してくれるのだ。
また、脂質を恐れるあまり完全なノンオイルに固執する必要はない。ごく少量の良質なMCTオイルやオリーブオイルは、胃粘膜を保護し、急激な血糖値の上昇を和らげるクッションの役割を果たす。従来の「油は完全悪」という固定観念は、栄養学の現場で静かに覆されつつある。