一般的に、ビジネスシーンで髑髏柄のネクタイを着用するのはタブーとされてきた。しかし、吉良のネクタイに描かれているスカルは、よく見るとどこかユーモラスで、幾何学的な美しさを持っている。遠目にはドット柄や小紋柄のようにも見えるため、Vゾーンに絶妙な「遊び心」を演出できるのだ。
「毎日同じような紺やグレーのスーツを着ていると、自分がただの歯車のように思えてくる。でも、このネクタイを締めるだけで、自分だけの秘密のアイデンティティを持てたような気がするんです」と、都内のIT企業に勤める30代の男性は語る。抑圧された日常に対する、ささやかな反逆のシンボルなのだ。