現在までの対戦推移を俯瞰すると、勝敗の順番には明確なドラマツルギーと作者陣の緻密な心理誘導が存在します。単なる殴り合いではなく、「信念と存在理由の激突」が常に描かれてきました。
開幕直後、最強神トールと全能神ゼウスが圧倒的な力を見せつけて2連勝を飾り、人類滅亡は不可避であるかのような絶望感を植え付けました。しかし、第3回戦で「敗者であり続けた男」佐々木小次郎が、神の傲慢を象徴する暴君ポセイドンを精密な先読み(千手無双)で斬り伏せた瞬間から、物語の潮目が決定的に変化します。
特筆すべきは、第4回戦で人類史上最悪の殺人鬼ジャック・ザ・リッパーが、誰よりも人類を愛した正義の闘神ヘラクレスを欺瞞の果てに葬った構造です。純粋な悪意と善意が反転し、勝利した人類代表が闘技場中から罵声と石を浴びるという痛烈なアイロニーは、読者に「人類は本当に生き残る価値があるのか」という重い問いを突きつけました。
その後も釈迦の謀反による神陣営の混乱、冥界の覇王ハデスの散華、科学の光を信じ抜いたニコラ・テスラの壮烈な最期など、勝敗は常にシーソーゲームを演じてきました。10回戦を終えて5対5。残された試合は最大でも3戦しかなく、ここからの1敗は即座に陣営全体の王手を意味します。