語源を辿ると、ハスキーボイスの「ハスキー(husky)」は犬種名ではなく、トウモロコシの皮や乾いた殻を意味する「husk」に由来します。カラカラとした乾いた質感や、擦れた音を想起させることから名付けられた音楽・音声用語です。
日常会話において「声が枯れている状態」と混同されがちですが、専門的な見地から見ると両者には決定的な境界線が存在します。最大の違いは、「響き(共鳴)の有無」と「声帯のコントロール性」にあります。
喉の炎症やポリープによる病的な「しわがれ声(嗄声:させい)」は、声帯が腫れて振動が不規則になり、苦しげで芯のない音になります。一方、魅力的なハスキーボイスは、芯のあるクリアな基音の周りに適度な気息音がベールのように纏わりついており、豊かな響きを伴って遠くまで届くのが特徴です。