単位換算の誤りは、単なる算数の間違いにとどまりません。日本医療機能評価機構が公開している医療事故情報収集等事業の報告書や調剤現場の事例によると、処方監査や投与設計における「桁間違い(10倍誤投与・1,000倍誤投与)」は、重大インシデントの上位に挙げられています。
例えば、医師が「0.5g」と処方指示を出した散薬に対し、調剤や服薬指導の段階で「50mg」と取り違えたり、逆に「5mg」の錠剤を「0.5g(500mg)」と誤認するような事態が発生すると、主作用の減弱や深刻な副作用を引き起こすことになります。薬学部教育や看護教育の現場において「薬 用量 計算の単位換算テスト」が徹底して反復されるのは、この1桁の差が生死を分けるためです。
また、昨今の筋トレブームや自己管理ブームに伴い、個人輸入した粉末状のサプリメント(カフェインパウダーや無機ミネラルなど)を自宅で自作カプセルに充填する一般ユーザーの間でも、計量トラブルが報告されています。「家庭用の1g単位クッキングスケールで100mgを量ろうとして過剰摂取になった」という声もSNS上で見受けられます。微量物質を取り扱う際は、目分量や不適切な機器での測定は厳禁です。