この言葉をめぐる静かな熱狂は、エンターテインメント作品の発信力とも深く結びついている。
競技かるたの激しさと和歌の繊細さを描いたアニメ『ちはやふる』は、言葉の持つ旋律や視覚的な美しさを若い世代に提示した。札を払う瞬間の緊迫感と、詠み上げられる大和言葉や漢字の余韻。作品を通じて、伝統的な言葉遣いに「格好良さ」と「愛おしさ」を見出す視聴者が続出した。
一方で、辞書編纂に情熱を傾ける人々を描いた映画『舟を編む』は、ひとつひとつの言葉に命を吹き込む手仕事の尊さを鮮烈に印象づけた。言葉の海を渡るための辞書という存在が、決して古臭い道具ではなく、現代のコミュニケーションを豊かに彩る情熱の結晶であることを再認識させたのだ。これらの作品群が、漢字や四字熟語に対する若者の心理的ハードルを劇的に下げたことは疑いようがない。