発売当時の熱狂と、令和の現在における受け止められ方にはどのような温度差があるのでしょうか。当時の購買体験者や現在の古書コレクター、ネットコミュニティの声を検証すると、興味深い実態が浮かび上がってきます。
リアルタイムでブームを体験した世代の証言からは、当時の世相がリアルに伝わります。
「当時は高校生で、レジに持って行くのが本当に恥ずかしかった。本屋のオヤジに新聞紙で隠すようにカバーをかけてもらったのを覚えている」(50代男性・会社員)
「普通のグラビア本とは違って装丁がものすごくお洒落だったから、女子大生の間でも堂々と話題にできた。『りえちゃんの身体が綺麗すぎる』と美意識の対象として見ていた」(50代女性・主婦)
一方、知恵袋やオークションサイトに見られる2020年代以降の生の声では、実家整理やコレクション整理に伴うリアルな困惑が見受けられます。「実家の本棚を片付けていたら父親の『Santa Fe』が出てきたが、近所の古本屋では買取を断られた」「フリマアプリで売ろうとしたが、帯が破れていたため送料を引いたらほとんど利益が出なかった」といった声が目立ちます。
その一方で、2024年の篠山紀信氏の逝去を契機に、「昭和・平成の写真史における最高傑作として持っておきたい」と再評価する若いZ世代のクリエイターや写真愛好家が、あえて紙質の良い美品を探し求める動きも確認されています。