柳沢慎吾の鉄板ネタとして知られる「若山富三郎のモノマネ」は、命がけともいえる現場のハプニングから生まれました。京都太秦の東映京都撮影所は、映画黄金期の職人気質が色濃く残る聖地。撮影スケジュールの遅延やNGに対して、若山富三郎が「誰だ!段取りを間違えたのは!」と怒声を響かせる場面に柳沢慎吾は何度も遭遇しました。
ある日の撮影現場、長回しの重要なカットで若山富三郎のセリフに対し、柳沢慎吾が独特の間合いで返答した瞬間、現場の空気が凍りついたといいます。しかし、若山富三郎はその場を怒鳴り散らすのではなく、柳沢慎吾の持つコミカルなリズム感を即座に見抜き、「お前、面白い間を持ってるな」とニヤリと笑ったという逸話が残されています。
この強烈な緊張と緩和のギャップこそが、柳沢慎吾の脳裏に焼き付きました。独特のだみ声、首を少し傾げながら鋭い眼光で相手を射抜く仕草、そして急に優しくなる温度差を完璧にトレースしたモノマネは、小堺一機とのステージライブ『小堺一機 & 柳沢慎吾LIVE ライブマン★コミック君!!』などで披露され、お茶の水を大爆笑の渦に巻き込みました。