川田亜子さんは1979年1月17日、石川県金沢市で医師の家庭に生まれました。地元有数の進学校を経て白百合女子大学出身(文学部フランス語フランス文学科)という生粋のお嬢様育ちでありながら、その素顔は人一倍の負けず嫌いと高いプロ意識に満ちていました。2002年4月にTBSへアナウンサーとして入社。同期には竹内香苗さんらがおり、入社直後からその端正な容姿と芯の通ったアナウンス能力で頭角を現します。
彼女の名を全国区へと押し上げたのが、2005年春にスタートした情報報道番組『みのもんたの朝ズバッ!』への抜擢でした。担当した朝ズバッ出演時の様子は、まさに体当たりそのもの。早朝の生放送という過酷なスケジュールの中、事件事故の現場リポートからスタジオでの解説まで、司会のみのもんた氏からの鋭いパスにも怯むことなく堂々と渡り合いました。どんな過酷な取材現場でも弱音を吐かず、現場の声を拾い上げようとする誠実な姿勢は、視聴者のみならず局内の報道スタッフからも極めて高い評価を得ていたのです。
報道志向が極めて強かった一方で、バラエティ番組『ネプベガス』や情報番組など多彩なジャンルを器用にこなすマルチな才能を発揮。生前の経歴と活躍を振り返ると、まさにTBSの看板女子アナウンサーとして順風満帆なエリートコースを歩んでいたように見えました。しかしその内面では、局アナという組織の枠組みに対する窮屈さと、自立したジャーナリストとして勝負したいという強い向上心が静かに芽生え始めていました。