二人が別れを決意した最大の要因として公式に明かされたのは、仕事による多忙と「時間のゆとり、心のゆとりの欠如」でした。しかし、その背景には表現者として妥協を許さない二人のストイックな生活実態がありました。
結婚当時、及川さんはドラマ『相棒』シリーズのハードな撮影スケジュールに加え、毎年の全国ワンマンツアーやアルバム制作を精力的にこなしていました。及川さんは完璧なステージングを追求するあまり、プライベートでも徹底して自己管理を行うストイックな職人気質で知られています。一方、元宝塚歌劇団月組・星組トップ娘役である檀さんもまた、舞台の主演や映画の撮影に入れば役柄に没頭し、極限まで神経を研ぎ澄ませるプロフェッショナルでした。
双方が過密スケジュールを極める中、互いに気を遣いすぎるあまり、家庭が心身を休める「シェルター」として機能しづらくなっていった現場の苦悩がうかがえます。また、檀さんは自身の母親に対する孝心が非常に篤く、多忙な合間を縫って母親のケアを甲斐甲斐しく支えていたことも知られています。及川さんの仕事部屋と居住空間を分けるための別宅確保が、メディアによって「不仲による別居」とセンセーショナルに報じられた時期もありましたが、実際は互いの集中環境を守るための選択が、結果として生活リズムの乖離を招いてしまったというのが実情です。