日本の食卓に定着した四川風の代表的なメニューは、いずれも本場の原型から見事な進化を遂げています。代表的な3大料理の特徴と違いを整理しました。
1. 四川風麻婆豆腐(マーボードウフ)
本場の麻婆豆腐は牛挽肉をカリカリになるまで炒め、葉ニンニクと大量の花椒粉を加えた漆黒の激辛仕立てです。一方の四川風は、柔らかな豚挽肉と長ネギを使い、甘みのある味噌や醤油ベースのとろみ餡で絹ごし豆腐を包み込みます。近年は本場風の痺れを効かせた「黒麻婆豆腐」と、食べやすい「四川風麻婆豆腐」を選べる店舗も増えています。
2. 四川風担々麺(タンタンメン)
本場の四川省における担々麺は、天秤棒で担いで売り歩いた歴史から「汁なし」の小碗スタイルが基本であり、黒酢とラー油、花椒が効いた軽食でした。これをスープたっぷりのラーメン形式に変え、芝麻醤(練りゴマペースト)でクリーミーなコクを出したのが日本流の四川風担々麺です。現在ではこの日本式担々麺が逆輸入されるほどの人気を誇っています。
3. 四川風回鍋肉(ホイコーロー)
本場では皮付きの茹で豚バラ肉の塊を薄切りにし、葉ニンニクとともに豆板醤と豆豉で辛く炒めるシンプルな塩辛い料理です。これをキャベツ、ピーマン、豚薄切り肉に変え、甜麺醤(甘杯味噌)を効かせた甘辛いタレで炒めるスタイルに改良したことで、日本屈指の人気おかずへと定着しました。