妥協を許さないプロの料理人という説得力を持たせるため、山崎賢人はクランクイン前から徹底した調理訓練に身を投じた。とりわけ包丁さばきやオムレツを焼く手際の良さは目を見張るものがあり、手元のアップシーンもほぼ吹き替えなしで自ら演じきっている。撮影現場の合間にも常にフライパンの振り方を反復し、指先に料理人の所作を染み込ませていたという。
さらに、夏の陽射しに映える小麦色の肌とサーファースタイルを作るため、日焼け肌の維持や体づくりにもストイックに取り組んだ。冷淡な態度の中にふと滲み出る人間味。現場でのディスカッションを通じて生まれた細やかな視線の動きや、台本にはない絶妙な間合いのアドリブが、柴崎夏向というキャラクターに血肉を通わせたのである。