宇都宮市文化会館の真価は、その卓越した音響設計に隠されている。
単なる多目的施設にとどまらず、本格的なコンサートホールとしての響きを両立させるため、反響板の角度や壁面の吸音材に至るまで緻密な計算が施されている。音が濁らず、ピアニッシモの繊細な余韻がホールの隅々までクリアに浸透していく様は見事というほかない。
純粋に「音の良さ」を最優先するなら、狙うべきは1階席の15列目から22列目、あるいは2階席最前列のセンターブロックだ。ダイレクトに届く直接音と、天井・側壁から程よくブレンドされて降り注ぐ間接音のバランスが完璧に調和する。爆音のロックコンサートであっても耳が疲れにくく、オーケストラでは各楽器の定位が手に取るようにわかる。このスイートスポットを知っておくだけで、音楽体験の解像度は劇的に跳ね上がる。