ただ石の上に横たわるだけでは、岩盤浴のポテンシャルを半分も引き出せていない。厚生労働省が定める公衆浴場の衛生基準をクリアした清潔な環境のもと、身体の生理機能を論理的に刺激する入り方を実践したい。
日本岩盤温浴協会などの専門機関が提唱する基本プロトコルは、驚くほどシンプルだが奥が深い。入浴前の十分な水分補給はもちろんのこと、「うつ伏せ5分+仰向け10分」の計15分を1セットとし、その後に必ず5〜10分の冷水補給と休憩を挟む。これを2〜3セット繰り返すのが黄金比だ。
この温冷交代の刺激によって開くのは、通常の汗腺ではなく皮脂腺である。皮脂腺から分泌されるサラサラとした汗は「天然の美容液」とも呼ばれ、肌のバリア機能を整え、毛穴の奥に詰まった老廃物を自然に押し流す。汗を拭き取る際もゴシゴシ擦るのではなく、タオルで優しく押さえる程度に留めるのが、美肌効果を翌朝まで持続させるプロの流儀だ。