他人事」の読み方はどっち?誤用だったはずが…文化庁が明かす衝撃の真相

他人事」の読み方はどっち?誤用だったはずが…文化庁が明かす衝撃の真相

他人事」の読み方はどっち?誤用だったはずが…文化庁が明かす衝撃の真相についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

なぜ本来「ひとごと」と読む言葉に、「他人」という漢字があてられたのか。時計の針を平安・中世にまで巻き戻すと、意外な語源の真実が見えてくる。

もともと日本語には、自分以外の誰かの事柄を表す言葉として「人事(ひとごと)」が存在していた。「我が事(わがごと)」の対義語としての「人事」である。ところが時代が下るにつれ、「人事」という表記は「じんじ(人事異動、人事部など)」という漢語の発音と混同されやすくなった。

そこで近世から近代にかけて、「他人の事柄」であることを視覚的にわかりやすく伝えるため、「他人事」という漢字を当てて「ひとごと」と読ませる習慣が生まれた。つまり「他人事」は典型的な当て字だったのである。ところが、文字の持つ視覚的インパクトは強力だった。「他(た・たにん)」と「人(にん・ひと)」が並んでいるのを見た人々が、そのまま素直に「たにんごと」と訓読・音読を混交させて読み始めたことで、新たな言葉のバリエーションが世に放たれることとなった。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。