「北米の火災など遠い国の出来事だ」という認識は、もはや通用しない。気象衛星の最新データによると、北米の上層へ巻き上げられた膨大なPM2.5を含む有毒な煙の帯は、高度1万メートルを超えるジェット気流に乗り、太平洋を越えて東アジアの上空へと到達している。
日本国内でも、上空の霞(かすみ)や異常に色鮮やかな夕焼けとしてその影響が観察されている。気象当局の担当者は「現時点で地上付近の数値が直ちに危険水域へ達しているわけではないが、呼吸器に持病を持つリスク層にとっては無視できない環境負荷となり得る」と警戒感を募らせる。国境を越えて拡散する微粒子は、気候危機の「影響圏」がいかにグローバルであるかを如実に物語っている。