痛みの強さは、物理的な刺激の大きさだけで決まるものではありません。心理学における「痛みの予期不安」モデルが示すとおり、「どれだけ痛いだろうか」という恐怖の度合いが、脳内の疼痛閾値を大幅に引き下げます。注射に対する正しい知識を持ち、「息を吐けば痛覚ゲートは閉じる」という確信(自己効力感)を持つこと自体が、最高の内因性鎮痛薬(エンドルフィン)として機能します。
セルフ対策の導入に向いている人
- 毎年の健康診断やインフルエンザ予防接種で強い緊張を感じる人
- 筋肉注射のあと、数日間にわたって腕の重だるさや痛みが残りやすい人
- 呼吸法やツボ刺激など、自己コントロールで不安を軽減したい人
事前の医療相談・特別な配慮が必要な人
- 過去に注射で気分が悪くなったり、意識を失いかけた(血管迷走神経反射)経験がある人
- 極度の先端恐怖症やパニック発作の既往があり、自力での脱力が困難な人
- ※上記に該当する場合は、無理なセルフコントロールを行わず、事前に「ベッドに横になった状態(臥位)での穿刺」や麻酔テープの使用を医師・看護師へ申し出てください。