換気扇から発生するノイズは、その音質によって内部で起きているトラブルの箇所を正確に特定できます。日常的に耳にする代表的な異音パターンと、そのメカニズムを紐解きます。
1. 「キュルキュル」「チチチ」:回転軸の潤滑油(グリス)切れ
乾いた金属同士が擦れ合うような「キュルキュル」という音は、ファンを回転させるモーター軸の潤滑油(グリス)不足が原因です。長年の使用によって油分が揮発・劣化し、金属摩擦が生じています。初期段階であれば給油で収まることもありますが、摩耗が進むと軸自体が削れて致命的な破損へと進行します。
2. 「ゴー」「ブォー」:ファンへの油汚れ・ホコリの大量蓄積
重低音で響く「ゴー」という唸り音は、シロッコファンやプロペラブレードに油汚れやホコリが偏って付着したことで生じます。羽根に付着した汚れの重みで回転バランス(動的バランス)が崩れ、換気扇全体が激しく振動することで共鳴音が発生します。また、フィルターの目詰まりによる吸気抵抗の増大もこの重低音を助長します。
3. 「カタカタ」「ガタガタ」:部品の緩み・設置不良・破損
振動を伴う「カタカタ」音は、ファンの固定ナットの緩みや、外枠(ケーシング)とダンパー(風逆流防止弁)の干渉が疑われます。地震や長期の振動によってビスが緩んでいるケースや、ファンの羽根が破損してフレームに接触している構造的なトラブルです。
4. 「キーン」「高周波音」:モーター内部ベアリングの経年劣化
耳障りな金属音や高周波の「キーン」という音は、モーター内部のベアリング(軸受)の摩耗・破損を示しています。ベアリング内の微小な金属球が変形したり溝がすり減ったりしている状態であり、一般的な分解清掃では修復できません。部品交換またはモーター本体の交換が必要な危険水域のサインです。
5. 「ジー」「ブーン」:電気系統の不具合・電磁ノイズ
スイッチを入れた瞬間に鳴る「ジー」という放電音や連続するうなり音は、電気系統の接触不良や絶縁劣化、コンデンサの寿命によるものです。内部で微細なショートが発生している可能性があり、感電や漏電ブレーカーの作動、最悪の場合は発火を招くため、直ちに使用を停止すべき状態です。