世界的な映像配信プラットフォームの普及は、過去の映画遺産に対する評価のあり方を劇的に変えた。現在、NetflixやU-NEXTといった主要ストリーミングサービスでは、日本映画の黄金期を飾った数々の名作が最高画質のレストア版で世界中に配信されている。
海外の映画批評家や若年層のシネフィルたちが驚嘆をもって迎えているのが、画面の奥行きを決定づける脇役たちの凄まじい存在感だ。とりわけ重厚な歴史劇において、その場の空気を一変させる緊迫感を醸し出す表現力は唯一無二である。過剰な説明を排し、眼光やわずかな身体の揺らぎだけで登場人物の複雑な内面を吐露してみせる表現技法は、現代の映像表現と比較しても極めて先鋭的だ。