高音を出そうとするとき、首筋に血管を浮かせて顎を突き出していないだろうか。日本ボイストレーナー連盟などの専門機関も繰り返し警鐘を鳴らしているが、この「喉締め」こそが声帯を疲弊させ、ピッチを不安定にする最大の元凶だ。
脱力のための特効薬は「リップロール」と「タングトリル」にある。唇をプルプルと震わせながらスケール(音階)を歌う。あるいは舌を震わせる。喉周辺の無駄な筋肉が緊張していると、この振動は途端に止まってしまう。歌唱前に1分間リップロールを行うだけで、喉の余計な力みが解け、声帯本来の柔軟性が瞬時に蘇る。喉を開く感覚とは、力を入れることではなく、徹底的に力を抜くことでしか得られない。