取材班が現地ピットや地元関係者へのヒアリングを通じて確認したところ、選手たちが口を揃えるのは「びわこの1マークは入ってみないと分からない難しさがある」という点です。かつて滋賀支部のベテランレーサーが手記で述べていた「波が引いたように見えても、ターンに入った瞬間にボートの下に硬い塊があるような感覚に襲われる」という告白は、まさに淡水特有のうねりの脅威を物語っています。
季節風の存在も見逃せません。冬場から春先にかけて比叡山側から吹き下ろす「比叡おろし」は強い追い風や横風となり、水面を激しく波立たせます。追い風が5メートルを超えると、1マークで先行艇が流され、差しが決まりやすい展開へとシフトします。一方で夏場は対岸からの向かい風が吹きやすく、ダッシュ勢のまくりが決まりやすくなります。
SNSやファンのコミュニティでも「びわこのインは少しでも舟が浮いたら即終了」「直線で伸びていても1マークで跳ねて飛んでいく場面を何度も見た」といった声が絶えません。現場の記者席から観察していても、周回展示でバウ(船首)が上下に大きく揺れている艇は、本番レースでほぼ確実にターンスピードを落としており、舟券から外す明確なシグナルとなっています。