本部を構える東京都北区は、古くからの印刷業や精密機械加工、さらには新興の飲食・サービス業が密集するモノづくりの集積地だ。資本の論理だけで動く株式会社形態の銀行とは異なり、地域社会の繁栄そのものを存在意義とする協同組織金融機関だからこそ、街の痛みに寄り添うことができる。
全国信用金庫協会がまとめる業界動向を見渡しても、足元の地域経済には依然として厳しい寒風が吹き荒れている。過剰債務に苦しむ零細事業者の再生は一刻の猶予も許されない。そうしたなかで、地場の事業所を一軒一軒泥臭く回り、経営者の顔色や工場の稼働音から変調を察知するリレーションシップ・バンキングの真価が、いま改めて試されている。