富士急戦慄迷宮はなぜ恐れられる?本物の霊と死亡事故の噂を暴く

富士急戦慄迷宮はなぜ恐れられる?本物の霊と死亡事故の噂を暴く

富士急戦慄迷宮はなぜ恐れられる?本物の霊と死亡事故の噂を暴くの基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

日本全国に点在するお化け屋敷の多くは、乗り物に乗って機械仕掛けの脅かしを眺める「ライド型」です。しかし、富士急ハイランドの戦慄迷宮が誇る圧倒的なアドバンテージは、自らの足で暗闇を進まなければ一歩も前へ進めない「完全歩行型(ウォークスルー型)」という構造にあります。

来場者が足を踏み入れる舞台は、かつて患者に対する非人道的な人体実験や臓器売買が行われ、怨念とともに廃墟化したという設定を持つ「慈急総合病院」です。制作チームが徹底してこだわったのは、作り物感を徹底排除した圧倒的な質感でした。壁面の黴(かび)や剥がれかけた塗装、錆びついた手術台、乱雑に散乱するカルテなど、細部にわたる廃墟再現が鑑賞者の批判的思考を麻痺させます。

恐怖を増幅させる決定的な要因は、視覚だけに頼らない「多層的な感覚刺激」です。院内には特注された薬品臭と腐敗臭を想起させる特有の臭気ガスが漂い、鼻腔を突きます。さらに、遠くから反響する金属音や呻き声、軋む床板の感触、肌を撫でる冷気が、人間の防衛本能をじわじわとすり減らしていきます。人間は未知の空間で視覚を奪われると聴覚や嗅覚が研ぎ澄まされ、ささいな刺激に対しても過剰に警戒する「予期不安」の状態に陥ります。戦慄迷宮はこの生理的メカニズムを計算し尽くして設計されているのです。

山田 真由
著者

山田 真由

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。