江東区夢の島にそびえ立つ3連の巨大ガラスドーム。夢の島熱帯植物館の最大の特徴は、隣接する新江東清掃工場のゴミ焼却時に発生する高温水(余熱)を100%活用して館内の暖房や給湯をまかなっている点にあります。化石燃料に頼らず、都市のエネルギー循環によって熱帯・亜熱帯の生態系を維持する仕組みは、エコロジー建築の先駆けとして国内外から高い評価を受けています。
館内は大きく3つのドーム(A・B・Cドーム)と前庭、食虫植物コーナーなどで構成されており、それぞれ異なる景観美を誇ります。
Aドーム(木生シダと水辺の景観):
一歩足を踏み入れると、生い茂る木生シダ(ヘゴ)とダイナミックな人工滝が出迎えます。せせらぎの音と立ち込める湿度が五感を刺激し、一瞬で熱帯雨林の奥地に迷い込んだかのような没入感を味わえます。
Bドーム(ヤシと人里の景観):
ドーム最高部まで伸びるヤシ類やバナナ、タコノキなどが群生し、熱帯の人里を再現したエリアです。ガジュマルの気根や色鮮やかなハイビスカスなど、南国の日常風景を想起させる植生が広がります。
Cドーム(小笠原の植物とオオオニバス):
世界自然遺産である小笠原諸島の固有種や貴重な植物を展示。巨大な葉を水面に広げるオオオニバスや、季節ごとに咲き誇る熱帯スイレン、カカオやバニラといった有用植物の生態を間近で観察できます。
さらに見逃せないのが、年間を通して注目を集める食虫植物の常設展示です。ウツボカズラやハエトリソウ、モウセンゴケなどが捕食のために進化させた独特のフォルムは、植物愛好家のみならず子どもたちの知的好奇心を強く刺激します。