光クラブの頂点に君臨した絶対的リーダー・ゼラ(常川寛之)と、囚われの身となったカノン。この二人の関係性は、本作が探求する「美」の二面性を鋭く浮き彫りにしています。
ゼラが求めたのは、自らが完全に支配し、老いることのない人工的で潔癖な「永遠の美」でした。しかしその実態は、醜い劣等感と老いへの恐怖に支配された脆弱なものです。対照的にカノンは、不完全で泥にまみれながらも他者を思いやる「生きた美」を体現していました。ゼラが最後まで愛を理解できず無惨な死を迎えたのに対し、カノンがライチの愛によって生かされた構図は、ゼラの美学の完全な敗北を意味しています。