星野源の闘病生活を語る上で欠かせないのが、彼が過酷なリハビリと療養期間中に書き綴った自著『蘇える変態』です。同書には、美談や感傷に流されることのない、生々しく過酷な病室の現実が赤裸々に記されています。
集中治療室での終わりの見えない激痛、身体中に繋がれたチューブ、排泄すら自力で行えない屈辱と無力感。そんな極限状態のなかで彼を支えたのは、崇高な理念ではなく、「生き延びてくだらない妄想を形にしたい」「またくだらないエロや笑いを届けたい」という泥臭い執念でした。
痛みに悶えながらも看護師の動きを観察し、絶望の淵で浮かんだフレーズをメモに残す――この常人離れした表現者としての業が、病床で名曲『地獄でなぜ悪い』を生み出す原動力となりました。絶望的な状況をシニカルなユーモアで包み込む姿勢は、多くの読者やファンに勇気を与え続けています。