高校教諭の待遇を語る上で、まず直視すべきは客観的な統計データです。厚生労働省が公表した賃金構造基本統計調査によると、高校教師の平均年収は平均年齢43.5歳で約679万円(きまって支給する現金給与額約41万円、年間賞与その他特別給与額約180万円)を記録しています。また、総務省の「地方公務員給与の実態」から算出される公立高校教員のモデルケースでは、平均給料月額約35万9,300円に各種手当を加えた推計年収は約707万円に達します。
国税庁の民間給与実態統計調査における日本国内の給与所得者の平均年収(約460万円前後)と比較すれば、表面上の数字は確かに「高給」の部類に入ります。しかし、現場の教員が毎月手にする「手取り額」に目を向けると、印象は大きく異なります。
公務員や私学共済の加入者は、給与から所得税、住民税、共済組合掛金(健康保険・年金に相当)などが差し引かれます。控除額は年収の約2割から2割5分に達するため、月給面での手取りは以下のようになります。
毎月の手取り額だけを見ると、20代や30代前半のうちは一般的な大企業社員やITベンチャー勤務の同世代と比べても決して余裕がある水準ではありません。高校教諭の年収を押し上げている大きな要因は、年2回支給される約4.5ヶ月分の手厚いボーナス(期末・勤勉手当)にあります。月々のキャッシュフローは堅実そのものであり、決して「派手に贅沢ができる給料」ではないのが実態です。