「年収106万円で手取りが激減する」と騒がれる根拠は、税金ではなく社会保険の強制加入にあります。勤務先が社会保険の適用拡大対象事業所である場合、月収が8万8,000円(年収換算で約106万円)を超えると、パートタイマーであっても厚生年金保険および健康保険への加入義務が生じます。
社会保険に加入した場合、毎月の給与から控除される金額の目安は以下の通りです。
- 厚生年金保険料:月額約8,052円(標準報酬月額8万8,000円・本人負担率9.15%)
- 健康保険料(介護保険なし・協会けんぽ平均):月額約4,400円(本人負担率約5.0%)
- 雇用保険料:月額約528円(負担率0.6%)
これらを合計すると、毎月約1万3,000円、年間で約15万6,000円もの社会保険料が天引きされます。その結果、年収105万円の時点では税金・保険料がほぼ引かれず約104万円残っていた手取りが、年収106万円になった瞬間に手取りが約89万〜90万円前後にまで激減します。これが、多くのパート従業員が直面する「106万円の壁による手取り逆転現象」の全貌です。