トーテムポールに刻まれた彫刻には、一つひとつ明確なトーテムポールの意味と役割が込められています。よく見られる動物モチーフにはそれぞれ固有の伝承や象徴(クレスト=紋章)が対応しており、一族のルーツや特権を表しています。
代表的なモチーフの意味は次の通りです。
・ワタリガラス(Raven):世界に太陽の光をもたらしたとされるトリックスターであり、創造と知恵の象徴。
・ワシ(Eagle):天空の支配者であり、気高さ、権威、平和、そして精神的な強さを表す。
・クマ(Bear):強大な力と守護、家族愛を象徴し、母性や勇猛さのシンボルとされる。
・シャチ(Killer Whale):海の守護神であり、旅の安全や強固なコミュニティの絆を示す。
・サンダーバード(Thunderbird):羽ばたきで雷鳴を起こすと信じられた伝説の巨鳥で、最高位の力と尊厳の証。
また、木彫りトーテムポールの種類も用途によって細かく分かれています。家の正面に設置される「家柱(House Frontal Poles)」、亡くなった首長や有力者を称える「記念碑柱(Memorial Poles)」、遺骨を納める「墓標柱(Mortuary Poles)」、さらには債務不履行や侮辱行為を公に記録する「恥辱の柱(Shame Poles)」など、多岐にわたる用途が存在しました。「一番上の彫刻が最も偉い」という俗説がありますが、実際には柱全体の構図や各民族の慣習によって主役の配置は異なり、足元に最も重要な紋章が据えられるケースも珍しくありません。