ネット上の情報やSNSの投稿を検証すると、御神渡りに関して少なからぬ誤解が流通している実態が見受けられます。現場の事実を知る上で押さえておくべき代表的な盲点を整理します。
誤解1:湖面が白く凍りさえすれば、すぐにせり上がりが起きる
これは旅行者が最も陥りやすい錯覚です。湖面が白く見える状態であっても、その多くは表面に数ミリから数センチの薄氷が張っただけの状態や、雪が混ざったシャーベット状の氷(雪氷)に過ぎません。御神渡りを引き起こすのは、人が乗っても割れないほどの「硬質で均一な青氷」です。氷の層が薄いと、日中の膨張圧に耐えられず、せり上がる前に氷が粉々に砕けてしまいます。
誤解2:「明けの海」判定が出たら冬の諏訪湖を訪れる意味がない
「明けの海=冬の諏訪観光の終わり」と考えるのは早計です。御神渡りの判定は神事として極めて厳格ですが、冬の諏訪湖はそれ自体が国内有数の魅力的な観光資源に満ちています。氷が張らない「明けの海」の年は、むしろ湖上でのワカサギ釣り(暖房完備のドーム船)がハイシーズンを迎えて大いに賑わい、湖面に飛来する数百羽のオオハクチョウや渡り鳥のバードウォッチングには絶好のコンディションとなります。