『炎炎ノ消防隊』のアニメ全シリーズを通じて主人公・森羅日下部の声を担当しているのは、声優の梶原岳人(かじわら がくと)です。足から炎を噴射し「悪魔の足跡」と恐れられながらも、人知れずヒーローを目指すシンラの真っ直ぐな闘志と少年らしいナイーブさを見事に体現し、作品の屋台骨を支え続けています。
一方で、ファンの間で「別の声優が演じていたのでは?」と話題に上るのが、物語の起点となる幼少期のエピソードです。火事によって母と生まれたばかりの弟を失い、自らに発火能力が目覚めた過酷な過去を描く回想シーンにおいて、森羅日下部の幼少期を演じたのはトップ声優の坂本真綾でした。
坂本真綾はシンラの幼少期だけでなく、物語の核心を握る生き別れの弟・象日下部(ショウ・クサカベ)の青年期も兼任して担当しています。このキャスティングはアニメ放送当時、音響制作陣の意図を汲み取った視聴者から大きな驚きと称賛を持って迎えられました。母の温もりを失い「悪魔」と蔑まれることになった幼きシンラの絶望的な叫びと、白装束の騎士団として冷徹に立ち塞がる弟・ショウの運命が、坂本真綾の澄んだ声によって不気味なコントラストとして描かれたのです。