輝かしい学究肌のキャリアを持つ保江氏が、なぜGoogleの検索サジェストで「怪しい」「嘘つき」といったネガティブな語句とともに検索され続けるのでしょうか。取材班がSNS、ネット掲示板、動画コメント欄を精査したところ、その要因は大きく3つに集約されます。
第1の理由は、「数理物理学の権威」という肩書を使いながら、科学的に反証不能な超常現象を同列に語る語り口にあります。彗星探索家で臨死体験者の木内鶴彦氏との共著『あの世飛行士 未来への心躍るデスサーフィン』(ヒカルランド)や、物理学者・井口和基氏との『物理で語り尽くすUFO・あの世・神様』に代表されるように、保江氏はアカデミズムが最もタブー視するオカルト・UFO・霊界の存在を真正面から肯定してきました。正統派の科学ファンから見れば、「元大学教授がスピリチュアルビジネスに傾倒している」と映り、強い拒絶反応を引き起こす構造があります。
第2の理由は、YouTube対談動画を起点とした「破局予言」の一人歩きです。台湾の人気YouTuber・老高(Lao Gao)氏の動画などで取り上げられたことを契機に、漫画『私が見た未来』で描かれた災厄や、保江氏が語ったとされる「フィリピン沖合での海底異変と津波」といったセンセーショナルな話題が、切り抜き動画やSNSで無秩序に拡散されました。発言の文脈が切り捨てられ、「物理学者が大災害を予言した」という恐怖訴求の断片だけが流通した結果、予言が外れるたびに「デマを流す怪しい人物」というレッテルが強化されていった経緯があります。
第3の理由は、保江氏特有の「飄々とした関西弁混じりのユーモア」が、真面目な受け手にとって不誠実に見える点です。氏は講演や対談において、荒唐無稽なエピソードを語る際に「真偽はともかく、面白いから話す」というエンタメ的な語り口を意図的に混ぜ合わせます。この落差を理解できない視聴者は、科学者としての責任放棄と受け取ってしまい、猜疑心を抱く原因となっています。