赤ちゃんの頭にこぶが生じる根本的な原因は、狭い産道を通り抜ける過程(分娩プロセス)にあります。子宮収縮の強い力で赤ちゃんが押し出される際、赤ちゃんの頭部は母体の骨盤や子宮頸管から強い圧迫と摩擦を受けます。
産瘤は、先進部(産道に最初に入り込む頭の部分)が圧迫されることで血液やリンパ液の循環が一時的に滞り、組織のすき間に液体成分が漏れ出すこと(むくみ)で発生します。難産で分娩時間が長引いた場合にできやすくなりますが、経腟分娩ではごく自然に見られる現象です。
これに対し、頭血腫は産道通過時の強い摩擦や回旋によって、頭蓋骨と骨膜の間の微細な血管が破綻して生じます。特に微弱陣痛や回旋異常による吸引分娩・鉗子分娩が行われた際、金属やシリコンのカップで頭部を牽引する外力が加わることで発症率が高まります。「処置のせいで傷つけてしまったのでは」と心を痛める親御さんもいますが、母児の安全を最優先に確保するための医療介入に伴う一時的な生体反応であり、決して珍しいことではありません。