この事件を巡っては、インターネット掲示板やSNS上で数多くの憶測や都市伝説が長年にわたり飛び交いました。代表的なものが「局の外部からサイバー攻撃を受け、システムがハッキングされて書き換えられたのではないか」という外部犯行説や、「特定の政治思想を持つ人間による計画的なテロ行為だった」という陰謀論です。
しかし、第三者委員会による調査報告書および警察への相談事実を精査すると、これらの憶測は完全な事実無根であることが証明されています。真実は、高度な外部攻撃などではなく、制作室内における「緊張感を欠いた日常の弛緩」と「無神経なブラックユーモアの放置」という、内閣・組織の内側から生じた腐敗でした。
テロップを作成したオペレーター本人は、検証委員会のヒアリングに対し「本番で出す気は毛頭なく、作業の息抜きや個人的な冗談のつもりだった。まさか画面に出るとは思わなかった」と供述しています。つまり、「世間を陥れてやろうという積極的な政治的悪意」があったのではなく、「重大な震災被害への当事者意識の欠如と、見つからなければ良いという安易な倫理の破綻」が生み出した悲劇だったのです。悪意以上に恐ろしい「無自覚な愚行」が公共のインフラを直撃したという点にこそ、本事件の本質的な病巣があります。