高梨沙羅選手の容姿の変化を検証するうえで欠かせないのが、時系列に沿ったビジュアルの歩みです。メディアに初登場した幼少期写真から現在に至るまで、彼女のビジュアルは大きく3つのフェーズに分けることができます。
第1期は、国際大会で頭角を現し始めた2011年からソチ五輪が開催された2014年頃までの「黎明期」です。当時は黒髪のショートボブにノーメイク、日焼け止めのみといういでたちで、競技に打ち込む素朴な中高生の姿そのものでした。当時のテレビ報道やスポーツ紙に掲載されたすっぴん画像には、あどけない奥二重の目元と丸みを帯びた輪郭が記録されています。
第2期は、20歳を迎えた2016年から2018年平昌五輪前後の「変革期」です。突如としてメディアの前に現れた彼女は、綺麗に整えられた平行二重、くっきりとしたアイライン、立体的なノーズシャドウを施しており、世間に大きな衝撃を与えました。「顔が変わった」という声が爆発的に急増したのもこの時期であり、ネット上では「別人のように美人化した」と賞賛される一方で、「競技に集中すべきではないか」という不条理な批判まで巻き起こる事態となりました。
そして第3期にあたる北京五輪から2026年現在にかけては、過剰な盛りメイクから引き算を覚えた「成熟期」へと移行しています。モード感のあるナチュラルかつシャープなメイクへと進化し、アスリートとしての強靭なフィジカルと、洗練された大人の気品が見事に調和したスタイルを確立しています。