国宝・東求堂の間取りは、一見すると極めて均整が取れつつも、機能的に二分された独特の構成を持っています。平面図を見ると、建物は大きく南側と北側の4つの部屋に分かれています。
南側には阿弥陀如来を祀る持仏堂である主室(仏間)が広がり、義政自身の位牌を安置するための宗教空間となっています。これに対し、北東の角に配置されているのが「同仁斎」です。
注目すべきは、祈りの場である厳格な仏堂のすぐ裏手に、極めて世俗的かつ私的な趣味空間である書斎が同居している点です。同仁斎の北東隅には炉が切られていた痕跡もあり、義政が仏事の合間に茶を嗜み、詩作や読書に没頭できる「静寂の隠れ家」として計算し尽くされていました。