関取と呼ばれる十両以上の力士だけが着用を許される化粧まわしは、階格や仕立ての仕様によって価格帯が大きく異なります。新十両昇進時に贈られる最初の1本から、最高位の横綱が土俵入りで従える太刀持ち・露払いとお揃いで締める特別なセットまで、その費用は職人の工数と貴金属素材の量に比例して跳ね上がります。
一般的に最も普及しているクラスであっても、軽自動車から高級セダンが新車で買えるほどの予算が投じられています。近年は金糸の主原料となる純金価格の高騰や絹糸の仕入れ価格上昇が続いており、制作費の底上げが顕著です。
十両昇進祝いの相場は150万〜300万円ほどで、幕内に定着すると後援会やスポンサー企業から2本目、3本目の化粧まわしが贈られ、複数本を着回すのが通例です。一方、大相撲の最高峰である横綱が締める「三ツ揃い」は、横綱本人だけでなく従える太刀持ちと露払いの分を含めた計3枚を同じテーマ・デザインで統一して制作するため、最低でも1,500万円、凝った意匠では3,000万円を超える莫大な費用がかかります。