育児休業中の母親や父親が集うコミュニティやSNS上では、毎日のように「生後2ヶ月の娘のおならが夫より臭い」「授乳直後に出たおならが腐卵臭そのもので倒れそうになった」といった切実な投稿が飛び交っています。知恵袋などの相談窓口でも、「完全母乳なのにドブのようなにおいがするのは私の母乳が悪いのか」と自身を責めてしまう母親の手記が後を絶ちません。
小児科外来の現場に立つ医師たちへの聞き取り調査でも、乳児健診の場で「おならの異臭」を相談する親は全体の約3割から4割にのぼると報告されています。特に初めての育児に臨む家庭ほど、「赤ちゃんの体臭や排泄物は無臭に近いピュアなもの」という先入観を抱きがちであり、現実の刺激臭とのギャップに強いパニックを覚える傾向が見られます。
ある母親は「夜中に寝ている赤ちゃんの頭元から凄まじい悪臭がして、どこかで生ゴミが腐ったのかと部屋中を探し回ったら、犯人はすやすや眠る我が子のおならだった」と語ります。赤ちゃんの可愛らしい外見と、大人の胃腸炎を想起させるようなヘビーなにおいとの落差が、保護者に「何かとんでもない内科疾患を患っているのではないか」という心理的バイアスを抱かせる主因となっているのです。