ベクトルの三角形の面積公式を完全解剖!なぜ成り立つのか導出と裏ワザ

ベクトルの三角形の面積公式を完全解剖!なぜ成り立つのか導出と裏ワザ

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ベクトルの三角形の面積公式を目にしたとき、多くの学習者が抱く疑問が「なぜルートの中に大きさの2乗の積と、内積の2乗の引き算が入っているのか」という点です。この疑問を解消する鍵は、高校数学の数Iで学習する「三角比の面積公式」にあります。

金沢工業大学をはじめとする高等教育機関の数学教材や大手教育プラットフォーム(進研ゼミ高校講座など)の解説でも強調されている通り、すべての出発点は中学校から親しんできた「底辺×高さ÷2」であり、それを三角比で表した以下の式です。

$$\triangle \text{OAB} = \frac{1}{2} |\vec{a}| |\vec{b}| \sin\theta$$

ここで、$\theta$ は2つのベクトル $\vec{a} = \vec{\text{OA}}$ と $\vec{b} = \vec{\text{OB}}$ のなす角($0^\circ \leqq \theta \leqq 180^\circ$)を表します。この範囲において $\sin\theta \geqq 0$ であるため、三角比の基本相互関係 $\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ を用いると、以下のように変形できます。

$$\sin\theta = \sqrt{1 - \cos^2\theta}$$

この $\sin\theta$ を元の面積の式に代入し、ルートの外側にある大きさの積 $|\vec{a}| |\vec{b}|$ をルートの内側(2乗の形)へと押し込みます。

$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{2} |\vec{a}| |\vec{b}| \sqrt{1 - \cos^2\theta} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 (1 - \cos^2\theta)} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 - |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 \cos^2\theta} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 - (|\vec{a}| |\vec{b}| \cos\theta)^2} \end{aligned}$$

ここで、内積の定義である $\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta$ を振り返ると、後半の括弧内がまさに内積そのものであることが分かります。したがって、次の基本公式が導かれます。

$$S = \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 - (\vec{a}\cdot\vec{b})^2}$$

なお、平行四辺形の面積は三角形2枚分であるため、先頭の $\frac{1}{2}$ を取り除いた $\sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 - (\vec{a}\cdot\vec{b})^2}$ がそのまま平行四辺形の面積となります。このように「三角比の $\sin$ を内積の定義に含まれる $\cos$ に置き換えるためにルートの2乗差を作った」という構造的必然性を理解していれば、公式を丸暗記する必要は一切なくなります。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。